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インタビュー

社会保険労務士 高田 順司

<プロフィール>
静岡県伊東市出身
明治大学経営学部経営学科卒業
セクシュアルハラスメント・パワーハラスメント防止コンサルタント
ESトレーナー


中小企業における退職金制度の改定・適格年金の見直し、会社を発展させる就業規則の作成・導入・改善、是正勧告など役所調査に関する予防・対応を得意分野としている。
また、セクハラ・パワハラ防止コンサルタント、ESトレーナーとして企業研修等の講師としても活躍。

インタビュー内容


Q.
社会保険労務士を目指したきっかけを教えてください。
高田.
私は、大学卒業後、園芸関係の会社に勤めました。
その会社で私が配属されたのは、花や野菜の苗を農家などに卸すことを業務としている部署です。
この部署では、お客様からのクレームにも対応していました。
たとえば、苗が育たなくて納品ができなかったり、苗に虫が付いていたときなど、お客様からクレームが来ます。
それらのクレームに対応することを日々行っていました。
そのうちに、クレームの原因がどこにあるのか、その原因を減らすためにはどうすべきかを日々考えるようになり、クレームを少なくするためのマネジメントや組織作りに興味を持ち、おもしろいと思ったのです。
また、新しい店舗で売り場を担当することになったのですが、そのときも、売り場の人たちにどうやる気を起こさせるか、マネジメントや組織作りに工夫をしました。
マネジメントや組織作りの経験を活かせる仕事をしたいと思うようになり、該当する資格を探したところ、社労士という資格にめぐり会い、勉強を始めることにしたのです。

Q.
社労士試験の勉強をされているときに気を付けていたことなどありますか。
高田.
私は、資格のスクールを利用していたのですが、その際に、気をつけていたことは、まず、講義でわからないところがあったら必ず質問するということです。疑問を残さないようにしていました。
次は、問題を解いた際の復習を欠かさないということです。特に、正答率が高いものはきちんとおさえるようにしていました。
最後に、勉強する素材を絞り込んで、それを繰り返すということです。
手を広げすぎずに、スクールで配布されたテキスト、過去問、答練を繰り返す勉強を行っていました。

Q.
勉強時間はどのように確保されていたのでしょうか。
高田.
私は、働きながら勉強していましたので、平日は、通勤電車の中での勉強が中心です。勤務地までだいたい片道1時間かかりましたから、往復で2時間は勉強していたことになりますね。そして、休日は自宅で5時間ほど集中して勉強していました。

Q.
勉強を始める段階から独立開業のことを考えていたのですか。
高田.
最初は、開業など考えていなかったですね。
まずは、企業内の社労士を目指していました。また、社労士試験の勉強をしている間に、先ほど話した園芸関係の会社から社労士事務所に転職したのですが、試験に合格した後も、その事務所からすぐに独立しようということは考えていなかったですね。

Q.
どのような経緯で、独立開業を目指されたのですか。
高田.
社労士試験に合格してから6ヶ月ほどの間は、転職した社労士事務所に勤務していました。
その後、事務所を辞めて独立開業することになるのですが、その理由というのは、自分のやりたい仕事をやってみたいという思いですね。
どうしても事務所に勤めていると、所長から指示された仕事だけを行うことになってしまいますから、自分のやりたい業務がなかなかできないというジレンマがあります。
また、自分がセミナーなどを行いたいと思っても、やはり自分の名前で行うことができず、思い通りに物事を進められない葛藤もありました。このような経緯から独立開業を目指しました。

Q.
開業された当初は、どのようなことに注意していましたか。
高田.
考えられる営業方法は、すべてやってみようと思い、実行しました。
飛び込み営業から始まって、ダイレクトメールやホームページ、また、同業者の集まりにも顔を出しましたね。ハローワークに行って、総務の職種を募集している会社を探し、ダイレクトメールを出すという工夫もしました。
総務の人材の増員を希望している会社であれば、社会保険の申請などに対応しきれず、困っている可能性がありますから。飛び込み営業というのは、なかなか難しかったですが、それ以外の営業では、それなりに成果を上げることができました。
だいだい2年ぐらいで事務所の経営が軌道に乗ってきましたね。顧問先が10社できれば、自信をもってよいのではないでしょうか。

Q.
現在、主として行っている業務は何ですか。
高田.
まず、顧問先の業務としては、就業規則のメンテナンス、労務相談、労働保険・社会保険の手続関係や社員の研修、助成金の申請などを行っています。また、顧問先には、月に1回、法改正や助成金に関する情報などをまとめたレポートをお送りしています。
また、スポットのお客様に対しては、就業規則の作成やその見直し、退職金制度の見直しやハラスメント防止の研修などを主として行っています。

Q.
先生は、ESトレーナーという資格もお持ちですが、これはどのようなものですか。
高田.
ESというのは、employee satisfaction(従業員満足)の略です。
従業員が仕事に対して満足感を得られるような会社の仕組みをどう作っていくか、ということについてアドバイスをしていくのがESトレーナーです。従業員の仕事に対する満足度は、休日が多い、給料が多いという要素にとどまらず、仕事にやりがいを持てるかという気持ちが非常に大切になってきます。
仕事にやりがいを持てる、自分が成長できたと実感できる会社の仕組みをどう作っていくか、このことについて、経営者の方にアドバイスをしていきます。
たとえば、聞いた経験があるかもしれませんが、CREDO(クレド)というのは、経営理念(企業理念)を実現するために、従業員が日常意識しておくべき行動指針、行動基準、考え方を意味しています。
これを従業員自身が作り、自ら実践することによって、従業員にやりがいを持たせることが可能となります。

Q.
どのようなときに仕事のやりがいを感じますか。また、開業してよかったことはありますか。
高田.
お客様は困っているからこそ、私のところへ相談にいらっしゃるわけです。
そこで、きちんとした仕事をして、お客様のトラブル・悩み事を解決できれば、信頼されて感謝してもらえます。
また、信頼していただけるからこそ、経営者の方々が私に本音を話してくださる。時には、直接仕事と関係しないプライベートなお話までしてくださいます。このようなときに、仕事のやりがいを感じますね。
他の方の苦労話などを聞く機会は、私にとってもよい勉強の場になりますから。
また、自分が事務所の経営者なわけですから、上司はいません。仕事をしていて、怒られることもありません。それはよい面であるかもしれませんが、仕事上の問題は何でも自分の責任になりますので、その点では厳しいともいえます。

Q.
最後に、社労士受験生にメッセージをお願いします。
高田.
先日、社労士の集まりでも話題になったのですが、社労士は、現在、まだまだ未開拓の分野が多くあります。
ですから、士業の中でも将来性があり、まだまだ成功の余地がある資格だと思います。
ただし、成功するためには、工夫が必要です。お客様のニーズをきちんとつかみ、自分が今までやったことのない仕事であっても、チャンスだと思って積極的にチャレンジする、前向きな姿勢が大切だと思います。


編集後記

今まで数多くの講演をなさっていらっしゃるだけあって、専門的なお話でも非常にわかりやすく説明していただき、時間がたつのを忘れるほどでした。依頼者の方も安心してお話を聞くことができるのではないかと感じました。


【取材協力】
高田社会保険労務士事務所

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